2017/09/21

「地味にスゴい 校閲ガール」ファッション雑誌の生き残り戦争。あなたの仕事 は、物を売る仕事?夢を売る仕事?




どうも、アートリサーチャーさくらこです。

昨日スペシャル放送された、「地味にスゴい 校閲ガール」

憧れのファッション雑誌「LASSY」の編集者を目指して出版社に入社したものの、配属されたのは校閲部だったお洒落アラサーの奮闘ドラマ


スペシャルでは、日本版「プラダの悪魔」な世界観になってましたね!

LASSY編集者となった「えつこ」が、新しい編集長(とにかく雑誌の売上立て直しが目的)と、やり合う様が最高に面白く描かれています。


ドラマは、ファッション的も見ごたえあるし、恋のあれこれも勉強になるんですが(笑)

今日は、ファッションから学ぶマーケティングについて私なりに考えてみます!


これから社会人になるみんな、すでに社会人のみんな。

7月から新商品企画開発課に異動になって、1からマーケティングについて勉強している「アートリサーチャー」さくらこ(笑)に着いてきてね!



アパレル販売員の皆さん。あなたの仕事は、なんですか?


私の母は、百貨店の婦人服売り場たたき上げの販売員です。
(横浜そごうで、何回も売上目標達成の鐘を鳴らした伝説のシスターズの妹w

そんな母が、新卒一発目に先輩にされた質問。


「販売員の皆さん。あなた方は何を売りますか?」


「お客様にとって最高の1着を売ります。」
「ここでしか買えない服を売ります。」

などの答えが並ぶ中、母が言った言葉は

「私は、私を売ることが仕事です。」

と、答えたそう!


母の武勇伝を聞くたびに、思います。


自分が何を売っているのか意識のレベルが違うだけで、
販売のパフォーマンスは大きく変わるんだなぁと。



「製品志向」と「市場志向」生き残るのはどっち?!


洋服を売る販売員と、自分を売る販売員。

言葉の受け取り方によっては、後者は何様なんだ(笑)と思うかもしれませんね。

これを、マーケティングの考えに置き換えてみます。

「洋服を売る販売員」は、製品に重きを置いた「製品志向」

「自分を売る販売員」は、目の前の製品を売るのではなく
「自分」という付加価値を売る「お客様に提供する価値」に重きを置いた「市場志向」

となります。


ここまで書くと、なんとなく「市場志向」の方が生き残るんだなって考えているあなた。

その通りよ!(ウィンク)


例えば、アメリカの鉄道業界。
昔は鉄道が移動手段として主流だったけど、今のアメリカは鉄道事業が発展していません。

飛行機とかタクシーがメインよね。
ウーバーの勢いもすごい。


どうしてアメリカでは鉄道が発展しなかったと思いますか?


それは、鉄道会社が自分たちの事業を「輸送事業」ではなく「鉄道事業」と考え、
お客さまが飛行機や車を使うようになっても「自分たちは鉄道事業だから関係ない」という態度を貫いたためなんです。


製品志向に陥ってしまうと、気が付かない間に社会の流れ(市場)に乗り遅れてしまいます。


自分の売り(付加価値)は、一時のものかもしれない。



自分を売る販売員は、ただ洋服を売る販売員よりも多くのことを気にかけているでしょう。


例えば、店頭での立ち居振る舞い。

お客様に向ける笑顔、お客様の反応の受け止め方ひとつにしても、
「自分から洋服を買ってもらう」ための努力があります。


洋服を売ることに重点を置いていると、その販売員から買うメリットは全くありません。


店頭に来る積極的なお客様は、スタイリングのアドバイスが欲しかったり、
最新のコレクションのポイントが聞きたかったり、
販売員とのコミュニケーションを前提にあります。


じゃあ、私も今日から「商品」にこだわるんじゃなくて、
自分だけの付加価値を探っていこう!と先走って思っちゃったのが、
マーケティング初心者の私でした。

ここでもう一つ、気をつけないといけないことがあります。

自分の売り、自分しか提供できない付加価値は、時代の流れによって付加価値ではなくなっている!という現実。


例えば、化粧品メーカー。

A化粧品会社は、自分たちの事業を「化粧品製造販売業」と考え、

B化粧品会社は、自分たちの事業を「ライフスタイルと自己表現、そして夢を売ること」と定義しています。


A化粧品会社が「製品志向」、B化粧品会社は「市場志向」です。


将来、技術革新が起こり、化粧品よりも効果的な美容方法が生まれるかもしれない。
その時に生き残るのは、どちらでしょうか。

自社を「化粧品製造販売業」と考えず、
「ライフスタイルと自己表現、そして夢を売ること」と考えたB化粧品会社の方が、絶対に事業の広がりがあります。


今は、あなたの販売スキルに自信があって、
あなたにしか無い付加価値かもしれないものが、
もしかしたら数年したら周りの販売員みんなが持っているものになっているかもしれない。


すると「自分を売る」という付加価値の市場志向も、時代とともに「製品志向」の範囲に飲み込まれていきます。


これは、技術や人材が育っているという良い現象でもあるんだけどね。。。

ですから、いつまでも同じ付加価値を提供し続けてはいけないということです。

点検することが大切。

これをマーケティングでは、PDCAを回す」と言います。
Plan 計画
Do 実行
Check 点検
Act 改善

これを繰り返して、レベルアップを図るのみです。


販売員の注意すべきライバルは、同じフロアの隣のブランド販売員ではなくて、

オンラインショップサービスやAI(人工知能)です。


あなたの仕事は、物を売る仕事?夢を売る仕事?


さて、先ほどの化粧品会社のお話です。

「ライフスタイルと自己表現、そして夢を売ること」と考えることで彼らは、
将来出てくるであろう化粧品に変わる技術革新は敵ではないのね。

むしろ自分たちの脅威としてではなく、
お客さまに「より高付加価値」のサービスを提供できるチャンス、
結果的に、自社を発展させられるチャンスと捉え流でしょう。


さぁ、「自分を売る」といったアパレル販売員の母は、
今はどんな気持ちで父のステンドグラスの作品の販売をしているのでしょう。


「ママの仕事は、斜森博行の作品を売るのと同時に、作品がある生活という夢を売る仕事よ。」

と答えてくれました。(はなまる100点!)


「地味にスゴい 校閲ガール」のドラマ内で描かれた
ファッション雑誌の生き残り戦争の中で、
「紙媒体からウェブ媒体に移行する!」と宣言した編集長に対して、
雑誌の良さを熱く語るえつこは言います。


「(ウェブページに掲載されている服がワンクリックで買えるシステム)確かに、便利さは大切です。
でも、憧れの商品を何度も見返して、自分が身につけているところを想像して、やっぱり諦められなくて、お店に見に行って手に取った時の感動、試着した時の高揚感。私は、Lassyはそういうものを提供する雑誌だと思います。」

(感涙)

この考え方は、雑誌以外のどんな商品、ビジネスにも言える
「市場志向」の大切な意見です。


サードウェーブの波に押され気味で、
「上質なコーヒー、良い空間、フレンドリーな接客」では差別化ができなくなったスターバックスコーヒーが
新たに取り組みを始めた事業が「スターバックスカードのポイント制度」導入です。


ポイント貯めたら、コーヒー豆とか好きな商品とも交換できるんだって!
しかも、使えば使うほどグレードが上がる仕組み!(楽天ポイントと同じ)


スタバが提示してきた付加価値の部分は、
もはやコーヒー業界のスタンダードになりつつあります。

スタバが作り上げたブランド価値を維持しつつ、
スターバックスにしか体現できない事業を切り開いていく勇気が見えます。




さいごに



数ヶ月、ブログ更新を中止していました。

冒頭にも書いたように、所属する部署が変わり、
1からマーケティングを学ぶ日々で、頭はパンク状態。

そのため、しばらくの間は自分の優先順位が変わったんですね。


しかし、ここ数ヶ月でマーケティングを学ぶ楽しさを知り、
少しずつコレを私らしくアウトプットしていく準備が整ったところでございます!


これからは、アートやファッション、生き方を提示する軸に、
みんなの役に立つマーケティング情報も混ぜていこうと思ってます。


今日参考にした本はこちら


めちゃめちゃ面白い!

 ここまで読んでくれたあなた、ありがとう。
このブログは、あなたの明日が今日よりも少し幸せになって頂くために書き続けます。

 peace
by アートリサーチャーさくらこ