2017/01/07

2017年最初に伝えたいこと 過去ログが見られる安心感で、「今」を感じることを忘れているデジタルネイティブ達へ





どうも、アートリサーチャーさくらこです。


1人身のクリスマスイヴ(2016年)、本川越にある和ろうそくのお店「haze(ヘイズ)」さんで、乳香(木の樹脂)の香りを楽しむ「源氏香」のイベントに参加してきました。

煙の立たない和ろうそくの光の中で、遠い異国の香りに包まれた1時間。

全身で「今」に神経を研ぎ澄ますこと自体が、久しぶり。


今年最初に皆さんにお伝えしたいと思った今日のブログの内容は…

ますますデジタル分野が飛躍する2017年に、「デジタルに不在」という付加価値についてと、形が残らない芸術について、そして「今」を感じながら生きるには努力が必要、です。


デジタル社会だからこそ「デジタル化しない」付加価値、「形に残らない」付加価値


2015年の村上隆の個展に行ったときを思い出したいのですが

芸術作品を前にスマホで写真を撮り、肉眼で作品を観るよりもスマホの画面越しに作品を見る人々。

タイトルにも書いたように、私たちは目の前にある芸術さえもスマホに収めて、後から見るという選択をしがちです。
SNS報告用がほとんどかも知れませんが笑)

データとして保存し、後から見返すという行為。メリットもあるのですが、今回のイベントに参加して「デジタル化しない」付加価値、「形に残らない」付加価値に、(かっこいいなぁ)と思いました。

「形に残らない」付加価値、「形に残らない」芸術


例えば、和ろうそく。hazeのろうそく作家のお二人が創った作品は、一度火を灯すと蝋は溶けて、跡形もなくなります。

今回使用された乳香(木の樹脂)も、焚けば残るのは香り。それも目に見えない香りという芸術。
和ろうそくのともし火も、乳香の香りも、その場にいるから体験できる芸術的癒し体験です。
見た目も美しい和ろうそくは、使うことがもったいないと感じてしまうのですが、「消費することこそ価値がある」もの。

芸術家というのは、自分の中のイマジネーションをクリエーション(具現化)することで、自分の芸術を表現します。しかし、一度は具現された和ろうそくも、使用されて消える。
形に残らなくても、そこには気配や記憶が確実に残り、作家と私たちの間に絆が生まれていると感じます。

 

「デジタル化しない」付加価値


このイベントに、写真家の方が参加していらっしゃいました。



ご自分の分厚いポートフォリオをお持ちで、見せて頂こうと思ったのですが、みんなが囲んでいたので、(後でウェブで見よう)と思いウェブサイトを聞くと「僕は、ウェブには作品を載せないので、、、」とのこと。

どうしてウェブに作品を載せないのか伺いたかったのですが、言葉にしなくても伝わる写真家の方の想いを空気で感じました。

本当に本当に分厚いポートフォリオで、めくる度に世界観に引き込まれ、
(今見ておかなきゃ。目に焼き付けておかなきゃ、この作品とは二度と出会えない。)という焦りにも似た感じ。



お名前を伺うことも出来ず、読み人知らずの和歌に心惹かれるそんな気持ちになり、「デジタルに不在」であるという価値もあるなと実感しました。
FKAtwigsも最初はSNS全然してなくて、ミステリアスキャラにぴったりだった。)


かと言って、ビジネスとアートは紙一重ですから、ビジネスとして成り立っているかは大切なポイントです。


プロとセミプロ、アマチュアの線引きにおいて、意図した「デジタルに不在」キャラに拘り過ぎて経済回せなかったら、それはあくまで趣味ですから、その内輪だけの水準で終わってしまいます。

より極みを目指すなら、簡単に世界中の芸術家と肩を並べて自分の実力を試せるウェブ展開をした方がいいと思いますし、誰が見てもこの作品はこの人!と分かる作風の確立さえしていれば、足踏みする必要はないと思います。


「今」を感じながら生きるには努力が必要


話しはそれましたが、大人になればなるほど、「今」を感じることを忘れていて、なんでも流しやすくなっているという事実があります。

1年を早く感じるのは、子どものころに比べて目新しいものがなく「いつもの」や「当たり前」といった言葉を当てはめ流してしまうから。ですよね。

カメラを持って出かける日は、空を見上げたり、壁に映る木漏れ日を見つめたり、いつも以上に周りの世界に敏感になっています。
本当は、カメラを持たなくても「今」を見つけることが出来る自分になりたいです。
それと同時に「未来」を見つめることもしたい。
わたしの「今」の連続がわたしの「未来」を創造している…仕事も、お尻のお肉も、努力してないと未来に影響が(笑)

「今」に切実感を持ち、「する」と決めたことを連ねてみて、初めて今までの自分とは違う未来をつくりだせるのでしょう。


さいごに


「今」を感じながら生きることに一生懸命だった「北条すず」という人がいます。
映画「この世界の片隅に」の主人公です。
1/4、川越のレトロな映画館「スカラ座」に観に行ってきました。


物資が足りなかったあの時代の人々は、日々工夫しながら生活していたんですね。

今は当たり前に物資の保障がされている日本ですが、足りないものは目の前ではなく、私たちの内側にあるのもしれません。


ここまで読んでくれたあなた、ありがとう。
このブログは、あなたの明日が今日よりも少し幸せになって頂くために書き続けます。

 peace
by アートリサーチャーさくらこ

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